市民の声を聞くということ
- 2018.11.28
- まちの現場
市庁舎移転後の跡地について、市や市議会がどう考えているのか経緯をまとめてみました。
そして、検討委員の方、市の関係者や建設関係者の数人にお話を伺い、次のような事がわかってきました。
「姿勢」で終わるのか「尊重」するのか
おそらく市当局としては「市民の意見を尊重する姿勢」が大事であると考えているようです。市庁舎移転で紛糾した事もあって、今までのような決定プロセスでは市民の批判は免れないのでより慎重にという事なのでしょう。
翻って、市民の意見はそれぞれの希望に過ぎず、街づくりの専門家ではないから、都市計画との整合性や運営を考えた場合の収益性など将来を考えた大所高所からの物ではないので、いたずらに意見を取り入れる事も問題と考えているようです。
確かに市民の意見を多く取り入れたとしたら、巨大な複合施設が出来るだけで単なる再開発にすぎず、失敗に終わった先例はいたるところにあります。
本来、大まかな方向性は市民の意見に立脚するものであるべきで、その実現に寄与するのが専門家なのではないでしょうか。
何か大きな事業を実施する場合、今までの決定プロセスに、市民の意見を聞くというスタンスが無かったわけではなくて、素案の段階から説明会やサイト上などで公開されてはいるものの、動き出した計画はそれぞれの立場から止められるものではなく、パブリックコメントなど実施直前に鳥取市報の片隅に乗る程度であっては、到底意見を吸い上げているとは言えないものでした。
実施が決まって公開されたら、異を唱える物は反対するしか方法が無くなるというのは健全な状態とは言えません。
どうすれば、市民の意見を多く反映させ、真に納得のいくプランが出来るか、市側の本心かどうかは判りませんが、件の検討委員会で話し合われています。僕自身は市議選の事もあって検討委員会メンバーではありませんし、議員ではないので議会や特別委員会の場で発言する事もかないませんが、意見集約の方法や決定方法に関して、仲間たちとアイデアを出し合って提言にまとめ、検討委員会へ提出できるよう行動を始めています。
今回の市庁舎跡地活用問題は、市民ベースの政治に変えていく為のいい機会です。いつまでも「寄らしむべき知らしむべからず」が通用する時代ではないのだから、これをテストケースに「市民の意見に基づく決定プロセス」に少しでも近づけたらよいと思うし、市庁舎移転問題の時のような市民を二分する事は二度とあって欲しくないです。
さらにこれが実現して自分たちの意見が反映されているという実感は、政治を自分ごとと捉える体験となって、今回の市議選の低投票率のような事は無くなると思います。
「みんなのまちはみんなでつくる」という夢に一歩踏み出そうじゃないですか。
-
前の記事
市庁舎移転後の跡地活用について検討の経緯 2018.11.28
-
次の記事
記事がありません