市政をリノベーション

帰宅すると選挙広報が入っていたので早速見る。

新聞記事と読み合わせると、とある候補の政見のひとつに、市庁舎移転後の跡地に集客施設を作って街を活性化する案があると解る。思わず「いや、そうじゃないんだ」と独り言ちた。
以前書いた記事にある通り、何か施設を作るとそれを目的とする人は集まるかもしれないが、そうではない人にとってはまったく無縁の物でしかない。人が減っている上に限定したのでは、得られるメリットも限定的で効果は望めないし、建設費だけでなく維持管理費は将来に渡ってかかる。

「何が出来るんだろう」「何を作ったらよいか」「空き地にしておいてはもったいない」と普通に考える人は多いし、市や多くの議員もそれが当然と考えていて「何も作らない」という発想はそこには無い。何も作らず空き地にする事のメリットはその記事で触れたが、使い方は市民、民間が考えるのであって、何にでも使えるからこそ、関係する人を制限せず、市民が本当に面白いと思える場所になるのではないだろうか。

あれだけの広さの「空き地」を多目的スペースとしてただ残しておくという舞台づくりは、税金の発生する民間には出来はしない。行政だからこそ出来る事だ。

今まで触れてきた、交通行政や既存施設の運用で言いたかった事のベースとなるもの。記事にはしていないが街頭演説で主張している行政サービスのバランスの問題もそうで、まったく新しい発想は民間の中にある。生活や仕事の現場で困っていることや、どうあったらいいかという想いの中から生まれてくる。それら民間の動きを可能にするための環境を整備するといったするといった「行政にしか出来ない事」これを手助けし、民間の想いや現場の発想を吸い上げて共有するのが「議員のやるべき事」なのだろうと思う。

選挙選のさなかである。本来公開討論会とかがあればいいのだが、人数が多すぎてそれも難しい。いつか冒頭の候補と議会の場でこういった議論を交わせる日がくるのを望んでいる。