バードハットは迷惑施設?

鳥取駅前のバードハットが5周年を迎え、先日記念イベントが開かれた。

10億超の予算を投じたこの施設が、当初目論見の年間1億2千万円もの経済効果を生んでいるとは到底思えないが、作ってしまった以上、せめて市民の生活になんらかの恩恵を与える施設であって欲しいと思う。

ドラムスはNG?

開閉式の大屋根を持つバードハットは、イベント開催時に雨天の心配が不要で、特に音楽イベントでその効果が期待された。

その後何度かの音楽イベントを経て、隣接する商店街へ騒音被害が起る事がわかり、一部店舗への防音工事などの対策によってある程度緩和されたが、ドラムセットでの演奏はできなくなっている。

特定の楽器に制約を設けるというのは、音楽ジャンルに制限を設けているのと同じで、施設の使い勝手を著しく下げてる。例えば秋に行われる鳥取JAZZというジャズフェスでは駅前の好立地が活かせない残念な事になっているし、夏に行われる青い鳥コンサートではバンド系は雨を心配しながら別会場で行われている。

望まれる対策

一概に防音と言うが、実際には遮音と吸音を組み合わせて行われるし、音の高さによっては仮設の遮音壁を設ける事で緩和できたりする。

まず、「音色や音程も含めた」調査を行い、楽器や音響機器の設置場所の工夫や最適な防音措置を施していくことは必要だが、たとえば騒音計などを貸し出すなどして、音響担当者に科学的で明確なガイドラインを提供することが出来ないだろうか。不快に感じられる点が明確になれば「楽器で制限する」といった乱暴な今の状況を回避できるだろう。

一向に生え揃わない芝生

今回のイベントの準備を手伝いに伺った時、芝の状態を見て愕然とした。ほぼ苔で覆われた地面に申し訳なさそうにちょろっと生えている芝生。

これはずいぶん昔にどこかに書いたけれど灌水の問題で、屋根の開閉による日差しの変化や水はけを考慮せず、朝晩自動で水たまりができるほど大量の水が撒かれた結果。この状態ではいくら目土をしようと、大量の水で洗われ、苔で埋め尽くされた地面に芝が根を伸ばす事などできはしないし、芝生の管理を請け負っている業者さんもこれでは報われない。

市民が憩う芝生にするには

今シーズンは絶望的だけれど、屋根の開閉と散水を状況に応じた形に変え、土を入れ替えれば翌年にはなんとかなる。人件費で管理費がという心配もあるだろうが、他の植樹は手作業で灌水しているのだから十分可能だろう。

春先に3日に1度程度の刈り込みを欠かさなければ、秋に冬柴をオーバーシードして、オールシーズン楽しめる芝生となる。

昔住んでた賃貸の庭。排水施設が無くても1シーズンでこうできる。

施設が活きるかどうかは運用で決まる

議会だけではなく近隣住民にも結構反対があったこの施設だけれど、作った以上は最大限効果を発揮するように維持管理するのも行政の仕事だ。

場当たりの対応ではなく、状況に合わせた運用の工夫を行い、今あるものを活かす考え方に変えていくべきだろう。