活気あるまちの作り方
いつまで経っても効果が見られないということは、手法が間違っているからではないでしょうか?「リノベーションを使ったまちづくり」ではなくその手法自体を「リノベーション」したほうがよいのではありませんか?
まずは小さな点からそしてエリアへ
鳥取市の中心市街地におけるまちづくりは「中心市街地活性化基本計画」に基づいて行われています。そこでは「二極二軸」として既存の商店街と文化施設を中心とした計画が述べられていますが、このような「広く薄い」施策では、人の動きの起点となる、魅力的なエリアを作る事は困難です。
一つの面白い店舗や場所ができて、そこに人が集まることで別の店舗ができ、エリアとして価値が高まり、そしてそれがつながり広がっていくという「点から始めるまちづくり」であるべきで、そのためには拠点をつくろうとする市民やまちづくり団体と一緒に考え、それをサポートしていく仕組みを作っていかなければいけません。
チャレンジショップの失敗
以前民間団体によって起業者をサポートするチャレンジショップという取り組みがなされてきました。これは空き店舗を借り上げ期限を区切って複数の起業者に提供し、起業を促そうとしたものですが、やっと地域に根ざしかけた店舗でも移転しなければならず、ほとんどの事業者が事業を継続できずに終わりました。あるエリアをどういう街にしたいのか考え、それにそった店舗展開をサポートしていくというタウンマネジメントの観点が欠けていたからです。
市民からのまちづくり
まちづくりの主役は、個店や市民一人ひとりです。起業しようとする者と不動産オーナーをつなぎ、支援していく民間団体も出来ようとしています。やたらと施設を作ったり、補助金をばら撒くといった事ではなく、将来のビジョンを市民と共有して、それに沿ったまちづくりとなるよう、受け皿となる仕組み作りやサポートを行っていくべきです。
ハードからソフトへ、発想の転換
例えば、商店街の活性化に必要と言われる駐車場。莫大なお金を投じての再開発で駐車場を作るのではなく、裏通りに点在する民間の駐車場を活用する方法を考えるべきでしょう。駐車受付ステーションと車を移動させるオペレーターを用意して、どこでも車を預け、受け取れる事ができれば、仮想的大駐車場がそれぞれの店にあるのと同じことです。まちづくりの問題を解決するのに、まずハードが必要と考えるより今あるものを活用する発想に転換すべきです。